月給から基礎時給を求める計算

月給と月平均所定労働時間から、割増賃金の基礎となる1時間あたりの賃金を計算します。除外できる手当を差し引いた金額で計算できます。

「(365日 − 年間休日) × 1日の所定労働時間 ÷ 12」で求まります。

家族手当・通勤手当・住宅手当・別居手当・子女教育手当・臨時の賃金・1か月を超える期間ごとの賃金は、割増賃金の基礎から除外できます(労基法37条5項、施行規則21条)。

計算結果

基礎時給
1,563円 割増賃金の計算に使う1時間あたりの賃金
端数処理前の値
1562.5 円 法令上は1円未満を四捨五入できます(切り捨ては不可)
割増賃金の基礎となる月給
250,000円
月平均所定労働時間
160 時間
時間外1時間あたり(25%増)
1,953円
法定休日1時間あたり(35%増)
2,109円

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この計算ツールは、自分のサイトへ無料で置けます。 設置の代行や設定の相談は法人向けの案内にあります。

このツールでできること

月給制の人の「1時間あたりの賃金」を計算します。 この金額が残業代を計算する際の基礎になります。

基礎時給 = (月給 − 除外できる手当) ÷ 月平均所定労働時間

出力される値の使い方

このツールは、時間外(25%増)と法定休日(35%増)の1時間あたりの単価も同時に表示します。 実際の残業代の計算は残業代の計算で行えます。

計算してみる

月給30万円のうち、通勤手当1万円・家族手当1万円・役職手当2万円が含まれ、 月平均所定労働時間が160時間の場合です。

判断金額
基本給ほか基礎に含める260,000円
役職手当含める(職務の対価)20,000円
通勤手当除外できる(実費弁償)−10,000円
家族手当除外できる(扶養人数で変動する場合)−10,000円
基礎となる賃金280,000円
基礎時給280,000 ÷ 1601,750円

役職手当を誤って除外すると基礎時給は1,625円になり、 残業1時間あたり約156円、月25時間なら3,900円の差が出ます。

除外できる手当は7つだけです

労働基準法37条5項と施行規則21条により、除外できるのは次のものに限られます。

  1. 家族手当
  2. 通勤手当
  3. 別居手当
  4. 子女教育手当
  5. 住宅手当
  6. 臨時に支払われた賃金
  7. 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

この7つ以外は、名前が何であれ除外できません。 「調整手当」「業務手当」「営業手当」などは、いずれも基礎に含めます。

さらに、上の7つに当てはまる名称でも、支給実態が伴わなければ除外できません。

手当除外できる除外できない
家族手当扶養人数に応じて変わる全員一律1万円
住宅手当家賃・ローン額に応じて変わる持ち家か賃貸かの2区分だけ
通勤手当距離・実費に応じて変わる全員一律

一律支給のものは「生活補助」ではなく賃金の一部とみなされ、基礎に含めます。

迷ったら含めて計算する

判断が分かれる手当は、含めて計算しておくのが安全です。 含めれば基礎時給が上がり、支払うべき残業代も上がるため、 後から「実は含めるべきだった」と指摘されて不足が生じることを避けられます。

明細に基礎時給が書かれていないとき

給与明細に「基礎単価」「時間単価」の欄がある会社なら、そこと突き合わせられます。 書かれていない会社のほうが多く、その場合は逆算します。

明細に時間外手当の金額と時間数の両方が載っていれば、次の式で求められます。

時間外手当 ÷ 時間数 ÷ 1.25 = 会社が使っている基礎時給

こうして出した値と、このツールの結果がずれるときは、 除外した手当の範囲か、月平均所定労働時間のどちらかが違っています。

時間数が載っていない明細(金額だけの会社)では逆算できません。 その場合は、賃金規程の割増賃金の条項を見せてもらうのが早道です。

ずれる原因は、たいていこの2つです

このツールの結果と会社の計算が合わないとき、原因はほぼ次のどちらかです。

ずれ方疑うところ
会社の基礎時給のほうが低い除外できない手当まで分子から抜いている可能性
会社の基礎時給のほうが高い月平均所定労働時間の取り方が違う(月ごとの所定を使っているなど)

どちらも、その月だけでなく毎月同じ差が出ます。 1か月ぶんの明細で気づいたら、過去のぶんも同じ差になっているはずです。

残業代の検算に使う場合

残業代は基礎時給に割増率を掛けて出すので、単価がずれると全部ずれます。 給与明細の検算も、未払い分の概算も、まずここを確定させてから始めます。 給与規程を作る側では、どの手当を基礎に含めるかの整理に使います。

なお、時給制の人には基礎時給の計算は不要です。 契約している時給がそのまま基礎時給になります。 ただし時給制でも、皆勤手当など毎月きまって支払われる手当がある場合は、 それを時間あたりに直して加算する必要があります。

よくある質問

住宅手当や役職手当は、除外できますか。
除外できるかは名称ではなく**支給の実態**で決まります。住宅手当は、家賃や住宅ローンの額に応じて金額が変わる場合だけ除外でき、全員一律や「持ち家か賃貸か」だけの区分なら除外できません。役職手当は職務に対する対価なので除外できません。判断に迷う手当は**含めて計算する**のが安全です。含めたほうが基礎時給が高くなり、支払うべき残業代も高くなるため、下回るリスクを避けられます。
端数はどう処理すればよいですか。
基礎時給の円未満は、行政通達により50銭未満を切り捨て、50銭以上を1円に切り上げる処理が認められています。ただしこれは**認められている処理**であって、常に切り捨ててよいという意味ではありません。労働者に不利になる一律の切り捨ては賃金の全額払いに反します。このツールは端数を表示するので、社内の規程に合わせて処理してください。
求人票の月給から、複数社の時給を比べたいのですが。
できます。ただし比較するなら、月給の額だけでなく**月平均所定労働時間**もそろえてください。月給25万円でも、月160時間の会社と月173時間の会社では時給換算で1,563円と1,445円になり、8%の差が出ます。所定労働時間は求人票の「就業時間」と「年間休日」から月平均所定労働時間の計算で求められます。

計算の根拠

このツールが計算に使っている法令の数値と、その原典を最後に確認した日です。 期限を過ぎたものは公開前の検査で分かるようにしてあります。

条文と資料の原典はこちらです。

法令の条文そのものを載せているのではなく、計算に必要な部分を実装しています。 個別の事情への当てはめは、労働基準監督署または社会保険労務士へご確認ください。

この計算の背景

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